北の竜骨

ストックあるのすっかり忘れてた。
ドラマ終了記念。

白石区菊水元町　うどん屋

仕入のために、東区まで足を伸ばした。
このあたりはまだまだ見きれていないから、手付かずの蔵書があるかもしれない、とおもったのだが…

やはり大きいところにあるだろうと思っても、実際にはそこらとさして変わらないものだ。
村雨３冊目がようやくお眼鏡にかなうところも、価格がやや割高だ。出回り始めだからか。
ため息をひとつついてあとにする…いい加減、腹のやつも苛立っているようだからな。

鉄板焼き

お、ちょっと面白そうな店を発見。
さすがは東区、俺を喜ばせるような店もあるじゃないか、これで仕入でのハズレを取り返せる。

「すみません、今店主が出ていますので…」

これだ。
今日は空振りの日だな。東区、というところで歯車が狂ったか、どうにも今日は東区と相性がわるいらしい。

二度の空振りにも肩を落とし、空模様も悪いので、こんな日はとっとと帰るに限る。
もう、寄り道はしない方がいいだろう…それにしても、腹が減った。

こんな時は、麺類をがーっと、こう胃袋をいじめるかのようにかきこみたいものだ。

左手に、ちょうどうどんの看板が見える。
今は確かに、ラーメンってんじゃないよな。そばは年をくってからの方が楽しめるから、今は外ではあまり食べない。
これはもう、うどんしかない。突撃。

「いらっしゃい」

ちょうど俺が入る寸前に、カップルが入る。見た感じ、貧乏な夫婦みたいな印象はないので、うどん屋に足を踏み入れるジャンルの人間には見えない。
こういう店は、俺のような若いとは言えないおっさんが似あうのだと思っていたのだが、まだまだ俺も世間知らずのようだ。

前のカップルが、二人並んでトレーを持ってカウンターのおばちゃんになにか言ってる。
どうも、ここは安食堂でよくあるその場注文でトレーに乗っけてもらって流れ作業で受け取る方式のようだ。
そうだな、今は亡きはんだやを思い出す…なんで札幌から撤退したんだろう？

「並で」
「え？　大盛りでなくていいんですか？」

意外か？　いや、まあ意外か。
しかし、俺の体型を見て心配してくれるのも、わからなくもない。
もしかすると、先のカップルの男が大盛りを頼んだのかもしれないな。

「いやあ並でいいですよ」
「は～い」

さっそくレジのある奥へ進み、カップルが会計を済ますのを待つ。
待つ間、目の前にあるトッピングを丹念に見ておく。ここに、意外性のあるモノが有るかもしれない…
お、やはり「梅干してんぷら」なるヘンなモノがありましたね。もちろん、これに手を伸ばす。５０円…値段も手頃。
なんか平べったい梅の色したたたみいわしみたいなシロモノだ。どんな味か今から楽しみでつばがわく。

「４４９円です」

無理に３９９円にしなければ、１円のお釣りなどと面倒な事にならないのに…
と思ったが、我が財布には５００円玉１個。
まあ、結果オーライ、ってところかな。

「さて…ん？　無料トッピングがやけに多い…」

レジ前にあったネギと大根おろしには、多少面食らったとしても、まあ理解できた。
しかしテキトーにトレーを置いた目の前には、一味七味はまだしも柚子胡椒にすりごまと、無駄に豪勢だった。
いやはや、トッピングで味をごまかそうという魂胆かと思いきや、目の前にはうどんに関する蘊蓄紙が貼られている。

様々なうどんの食べ方がある、と。
確かに、よく見るとメニュー表には「釜揚げ」や「つゆなし」、卵がどうのや麺だけ冷たいなど、俺の頭の中にはインプットされてなかったうどんワールドが展開していた。
これはちょっと興味をそそる。面白いじゃないか。

また、ここに来いという挑戦として、受け取った。

うどんはガッシリとした腰が魅力で、つゆはそこそこ、梅干の天ぷらが期待はずれでオキアミかなんかの天ぷらみたいな感じがした。
もっと、酸味があると信じていたのだが…もしかすると、後入れした柚子胡椒との相性が悪かったか？

満足して店を出たのもつかの間、閉店時間が１５時とある。
せっかくの店なのに、こんな早く閉店しては、俺がくるタイミングが取れないじゃないか…

今こそ１５時ちょうど。
ひょっとしたら、ここも空振りだったかもしれない、などとのIFは、嫌な気分になるので考えないようにして店舗をあとにした。

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