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2009年06月06日

『ユート』

とうとうここまできた。いくら打ち切りと言えど5本指となると、ちょっとこちらも緊張する。

5位『ユート』。

かなり最近の作品を選択したが、色々悩んだりした結果だ。
けれど、最近の作品の中で一押しするならこれだろうか、との結論を出した。
問題があったから、やっぱり少し悩んだのだが…

何が問題かと言うと、この作品に限っては、ちゃんと終わってない。
作中で設定された最後の壁(大方の場合は”こいつを倒せばハッピーエンド”という敵だったりするやつ)を倒していない、典型的な打ち切りなのだ。
11位までならいくつかあるにしろ、10位以内ではそういうのは避けてきた。
でも、この作品はちょっとやそっとの評価をするには惜しすぎる、という悩みがあったのだ。


主人公にくっついてくるガキ(悪いキャラではないのだが)とかいけ好かなかったり、そもそも主人公自身がうじうじしている感じで少々魅力に欠けるなど、どうか、と思える部分も多々ある。
悠長にやってられない状況で、のらりくらりな主人公の父親とか(連載の都合が影響される方がよろしくないが)、見ていても爽快感があまりなく、そもそも主人公がなかなか勝てないというジャンプの原則の一つ「勝利」をあまり実践できていない。
まあ、勝利自体は俺にとってはそこまで重要ではないのだが、連載を勝ち取るためには必要なことだ。


それでもやはり、評価したい点がいくつかあるので、どうしてもこの位置でレビューしたかった。

まず。
主人公が弱い靴を履いて大会に参加(書き忘れてたが、スピードスケートのマンガね)して、実は優勝者並にも見えてたところに、優勝者(後のライバルだと思う)が気にして同じハンデで戦おうとした時、主人公がビビってフライングするところ。

ハンデをつけて大会に出て、確かにそれでは一般的に順位は落ちるものの好成績なら別口で目立てる。
それは、一種のいいわけであることは、そういうことをよくやる俺がよく知っている(音ゲーだと比較的初心者向けの譜面でスコアアタックやったり、ランダムとかね。ランダムは今はあまり難しいと言われるような印象はないみたいだけどね)。
そこで、むしろ比較されたトップクラスの実力者が、わざわざこっちに合わせてくるという怖さも、よく知っている。

だってそりゃ、勝てないもん。

この主人公はよほど、この後のライバルにとって気に食わない走りを見せ付けていたという話なんだろうし、そういう場合でもライバルは普通は噛み付いては来ないもんだ。
それがなぜか、という形で二人をライバル関係にまでもっていく話は、なかなか面白かった。
じゃあどうするか、という話なんだけど、その行き先がスケートが全然流行っていない地域だから、なんだか(第一話は、そのライバルとの話はあまり出さず、こんなところでどうするんだろう的な話と、別のガキとのいきさつばかりですでにジャンプっぽくなかった)。


逆境から~というストーリー展開は燃えるものがあるんだけれども、それにしたって話がうごかなすぎたと思う。
原作者が、前作大ヒットを飛ばして、今回もそのために下地をしっかり作ったみたいだが、その下地を作るのに手間取ったのがあだとなったようだ。
あと2~3巻もすぎれば、どう転んでも面白くなるしかないところの近くまでは持っていけたのだが、そこで試合終了。


ジャンプシステムは非情だった。よほど人気なかったか、単行本が売れなかったんだろう。
確かに、あの単行本の表紙はよろしくない。
画担当は、マンガの中身を読めばわかるとおり、別に下手というわけではない。
カラー絵も悪くないとは思われるのだが、小学生がスピードスケートを滑ってる絵を魅力的に描くまでは上手いわけではないのかと思った。

また、ヒロイン不在も厳しい。
そのため、真のヒロインは必死で主人公をスケート選手にしようと父親を説得していたあのおばさんと思われる。
ジャンプ自体に魅力的なおばさんキャラというのはほとんどおらず、いても若々しいお母さんキャラである(しかもなぜかババアキャラの方が多い)。
だがそれも、ジャンプとして人気を得る要素とは言えなかった。

ひっくり返せば、この状況でよくここまで連載できた、というのが素直な感想だ。
確かに面白い。面白いけれども、支持を得るには弱い。
支持を狙って得ることがいいことだとは俺は思わないけれども、生き抜くための要素としては身につけて欲しかったとも思う。
そうなると、ここで紹介するようなものにはならないのだが、そもそもここで紹介する作品にならなかったと思うから、そう願った。


正直なところ、最も復活連載を望んでいる。このレビューが別のカテゴリへ移動することを願うばかりである。


5位はこれで終わり。

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