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2009年10月18日

『天外魔境3』

俺がやっていいものではないのだが、まあ時効だろ。
100回レビュー終了後の、101回目のタイトルにふさわしいはず。

どのプレイヤーに対しても物議をかもしだしたであろう、PS2のRPG『天外魔境3』。


ちなみに天外魔境真伝は大好きだが、2は別に…というのが俺の評価。1も別に…
なので、その辺割り引いて考えるように。カブ伝? 世阿弥と歌しか覚えてない。

とりあえず長い。
色々長い。
発売されるまでが長い。
タイトル画面が出るまでが長い。
ムービーが長い。
ムービーに入るまでも長い。
プロローグが長い。
最初の戦闘に入るまでが長い。
戦闘に入るまでの待ち時間も長い。
術のモーションが長い。
術演出も長い。
必殺攻撃の演出も長い。
戦闘が終わってからも長い。
百鬼夜行どころか千鬼夜行なのでもうすでに長い。
キャラがしゃべってる時間も長い。
フラグ立てのために移動する時間も長い。
セーブロードの読み込みも長い。
街に入るまでが長い。
街の中の建物に入るのも長い。
出るのも長い。
ミニゲームができるまでが長い。
ダンジョンも長い。
シナリオも長い。
9くらいに区分けされてるのに一つ一つが長い。
ボス戦までが長い。
スタッフロールすら長い。
コンプリート用のアイテムを手に入れるまでが長い。

などなど。
ゲームにおけるテンポについてはほとんど考慮されていない、というのが最も大きな問題のある点になる。

いきなり悪口で始まったが、それくらいのほうがちょうど良い。
まず膿を出し切る方が、この作品の評価をしやすいのではないか。

グラフィックに関しては、全部ポリゴンにした事以外は、俺は別に文句は言わん。
でも、モーションに関してはさすがに苦言が必要だ。口もあかないのに、キャラのセリフシーンでわざわざアップにする必要があるのか、とか。
緊迫したシーンなのに棒立ちで仲間見殺しとか。
しかも殺されたあとにわざわざ出てきて敵撃退とか。
脚本部分の演出が、すでにギャグの領域に入ってしまっている。
みんな家の中で立食パーティやったり、スタンディングミーティングを始めるのは、多分作品世界内での流行なのだろう。加藤清正もせっかくの座布団の上に立ち上がって謁見してくれた。

シナリオもシナリオだ。
序盤はいい。意外と、といっては悪いが、序盤の入りはいい。
多分、声優の名演が功を奏しているんだろう。テキストを見る限りは、ん? と思えるところもあるんだが、なんか色々ごまかしてる気がするのは気のせいか。
イチモツがいい。実にいい。

まず膿を出す話なので、とりあえずさておき。
キャラの一人称が統一されていない。文字のレベルでもそうだが、声のレベルで。声入れる前にチェックしとけよ、としか思えない。
猫と埴輪がよくわからん。
9人しかいない枠を早々埋めるようなキャラではないだろう。
ヒロインさらわれすぎ。そのせいでおまけキャラ的な上記のキャラを使う必要が出るのは非常にまずい。
そもそも9人そろうのが9のシナリオ中1回しかないのはダメすぎ。
そう、猫と埴輪はもうレギュラーは決まってるんだけど気づいたら仲間になってたくらいがちょうど良い。
あとな、宿命のライバルと言うか敵はな、主人公の手で倒させるのがスジだろう。
あれは絶対に、「俺がこの程度で死ぬものか」とか抜かして最後のほうにも出てきて主人公に倒されるのが正しい処理。
中途半端な立場の人が出てきて心中とかどうかと思うぞ。
あとはラスト周辺。最後は9人そろえるべきだろ。何考えてるんだ、それはバグだろう。
他、ギャグが総じて寒いが、俺にギャグの寒さを指摘する資格があるのかどうかは不明。

読み込み長い、シナリオキツイ、画もキツイ、三重苦がそろってしまったが、他はそんなでもない。

戦闘の攻撃の爽快感は結構なもの。
20以上の敵を剣とかでばっさばっさとずばずば切り裂くのはわりと楽しい。
術のあれさ加減のおかげか、当然攻撃ばかりに寄る。
また、十字4方向に特殊攻撃をセットでき、それを踏まえて相手の能力を落としたりとか戦術的な戦い方ができる。
たまにボスにも効くので、結構使い出があるのも良い。
加えて戦闘に出した3人による必殺技連鎖。
キャラごとに必殺技が用意されているのだが、条件が3人ともそろった場合、それぞれ順番に必殺技を出すことができるのだが、これがなかなかに。
一番最初に出した攻撃の追加効果が次にも反映されることと、2番目以降はどんどん基礎威力が下がることで、順番を考える楽しさも出てくる。
そうそう、装備品が面倒でなくて良い。
武器を装備すればあとはアクセサリー。鎧がどうのとかは考えなくてよい。
キャラクター中心のつくりなら、武器もホントはそうだが、各種装備品はいちいち変えない流れは非常に喜ばしい。適切なシステムを提供すべきである。
読み込みの遅さと術のヤバさを考えなければ、かなり評価されていい代物である。
バランスも、最低レベルで突き進んでも考え次第ではクリアできるし、逆にレベルあげまくれば普通にクリアできる。タオリは少しキツイが。
難点は、その楽しさを実感できるだけの手ごたえのある敵がほとんどいないことである。


キャラも一部を除き、おおむね悪くはない。
見た目でこれはダメだろうとおもった楓がわりといいキャラだったのでちょっとびっくり。もっと軽いキャラかと思った。
犬とか弓とか坊主とかも悪くないし、敵だってタオジリオスとかイチモツは良かった。シャアはいろんな意味でマヌケで面白かったし。
いいとまで言えないけど、猿も最後の独演とかは一度は見てみてもいいと思う。画期的。
しかし俺的にはやっぱり鬼一番以外ありえない。真面目一徹、命中率低い大ダメージハンマー攻撃回数1回。うむ。声が似合いすぎ。
脇役端役も意外となかなかよく、キャラクターのつくりが良かったというよりは声担当の膨らましが過剰だったようにしか思えないが、それでも素材としては悪くはなかったんだろう。
だが猫、おめーはダメだ。


音関連が、この作品のキモであり重要な部分。
BGMだけではなく、SE、声。

俺は多分初めて、声優の力を思い知らされた作品になっている。それまで声優にあんまり興味なかったからなあ。いやホント。
実力者は、凡庸なテキストすら説得力を持たせることができるようだ。
そのおかげでベテランというか定年間近なひとまでいるような気がしたが、それだけ声部分に関してはほぼ申し分がない。猫だけちょっとカンベン。猿も別の意味でカンベン。
ボイス入れでテキストに暗にダメ出ししている部分が最高だった。仮面かぶって甘えにいきたい気分である。

…それらも、ムービーなどが絡むと、声の臨場感と画とのギャップでエラいことになるのだが…

SEに関しては、他作品もある程度やっていることだが、とにかく行動に対するレスポンスが徹底している。
歩く足音があるのは当然、その足音も地面によって微妙に変えている。
他、マップ上の音の近さ遠さも計算し、海から離れれば波の音が遠ざかる、などのセッティングもしっかりしている。
やって然るべき部分ではあるものの、徹底してやってくれるのは、気づきづらい部分ではあるがいいものである。


そしてBGM。危険を冒してまでこのゲームをレビューするには理由がある。
テーマ曲としては、どのRPGよりも強い印象の残ったナミダのテーマを中心にして、オープニングから戦闘からラスボスまでダメな曲はない。
曲の使い方がダメなのはあったが。
和をメインにしてあれだけ戦闘を盛り上げてくれる曲はホント好きだった。
つーかあれ全部一人で作ったとか信じられないんだが。ボツ曲含め100以上だっけ。

惜しむらくは、いい曲が流れても、イベントの都合でシーンがとっとと切り上げられることだ。


結論として、決していい作品と呼べるものではないが、見逃すにはもったいない部分も多く残る作品である。
チンタラ作った駄作ではなく、必死で作ったけど技術的に理想に届かずしかも時間切れで未完成というのが、最終的な感想だ。

ところでこのゲームのレビューも長い。


今日はこれで終わり。


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