北の竜骨

漫画レビューはやめたと言うよりは、１００という区切りをつけちゃったもんでちょっと手を出しづらくなっただけで、なんかきっかけがあったら復活しようと思う。
ネタも増えてきたし。
基本的に俺視点ではあんまり褒めるところない漫画はやめておこうというので、ちょっと持ちネタが減少気味だっただけ。

今回は、ちょっと思うところがある漫画があったので、復帰の準備も兼ねてレビューをしようと思う。
少年疾駆はいずれまた。

まあ、こんな立ち位置の漫画レビューしてわかるの、まつもとくん（仮名）くらいだろうけど。

５７ｔｈとかいう漫画、赤マルジャンプに掲載されてた漫画らしい。
悪い部分から語ると、なんの盛り上がりもないまま話が終わり、特にカタルシスに影響しない。
絵が特別うまいわけでもなく、ギャグが特別面白いわけでもなく、淡々とした話だ。
キャラの描写も半端で、どんなキャラなのか関係性なのか語られないのでピンとこない。
何より主人公が計画性のある努力家という、俺から異常なほどかけ離れているタイプで、感情移入はおろか何一つ彼の悩みを理解できなかった。


ただ、物凄く印象に残った。

語り口も特徴あるわけでもないのに、なにかこの作者の雰囲気みたいなのが感じられる。
何なのかわからない。
他の作者だと、多少わかるもんなんだけど、内容自体が平凡なので尖った部分が見てわからなかった。


まずひとつ、主人公が人間性を残した優等生タイプだというのはあるかもしれない。
優等生タイプで、ここまで主人公の内面を出して語った話は割と珍しいと思う。
普通、こういう話だと、この漫画であればボンクラヒロインに焦点があたり、そちらよりの話の流れになりがちだ。
中身で言えば、ヒロインがトラウマ抉っちゃったあと、そっちのセリフとかあんまり出さないで主人公へカメラを向けていたとか。
そこを方向転換させずに、主人公の話で最後まで終わらせたのは好印象だった。
ぶっちゃけ、こいつ俺より仕事できそうじゃんとか思いはするが、あんまり嫌味な印象はなかった。

キャラクターも極端過ぎないから、さほど嫌な感じにはなってなかった。
せいぜいヒロインがボンクラすぎてウザがられるか？　という感じだったが、ボンクラぶりはあんまり描写されずに印象悪いまで行かなかった。

あとは、序盤の話が主人公、ヒロイン、主人公の父親に関しては伏線だったんだ～的なものが多かったのは面白かった。
鍵はどうかと思ったけど。

その他、必要以上のセリフやコマがあんまりないのは読みやすくてよかった。
脚本の基本的な部分ができているというか、下手に絵を描いてしまわない分くどくなかった。

続きを見てみたい気もするが、この話はここで終わりにしないとめんどくさそう（なんか話を盛り上げるためのイベントをいちいちやらなきゃならなそう）なので、そうそう広がりを期待できるものではないか。

ちなみに俺は、こういう青春を一切経験していないという作者の想定する読者層から外れた者なのだが、こういうのが好きだったりする。
というか基本的にないものねだりというか、自分の経験にないストーリーを求めるというのは割と自然な話だと思うのだがどうか。


最後に、この作品を取り上げたのは、主人公が文化祭の出し物として面白そうなＡＲＧを提案してるところだ。
判子を押すところをデジタルデバイスに頼り、ターゲットの距離と本人の距離が一定以内になったら捕獲可能みたいなアプリを用意すると面白そうなんだが、どこか企画しないのか。それとももうあるのか。
ターゲットに判子を押させるというのは物理的な作業をユニークな人間に行わせるということで、そのターゲットの時間をロスしてしま（以下略


どうでもいいけど、この主人公の親父老けすぎじゃね？


５７ｔｈとかいう漫画はこれで終わり。

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