北の竜骨

耳の早い人はこないだのアップデートを心待ちにしていたレベルでプレイ済みだと思う。

群馬県出身のプログラマが知り合いにいるから気にはなったのだが、とりあえず（金にならないが）忙しいから放置してたのだが、ツイッターでやってる人が何人かいた。
さすがにいい加減気になったので、ａｎｄｒｏｉｄでも公開されてたぐんまのやぼうというアプリをプレイしてみた。

まあ、育成＋アルファの大体予想通りのゲームだったんだが。

ぐんまのやぼうをプレイするとわかるとは思うのだが、勝手に育つネギやこんにゃくと、それを収穫すると再生される「グンマー」という音声。
簡単な操作とわかりやすいレスポンスで、ゲームの操作の基礎ができている良いゲームだ。

画像もおしゃれでも魅惑的ではないが、しっかり群馬してる白地図だし、文字も読めなくはないレベルでタッチ範囲を示すアイコンもわかりやすい程度には丸になっている。

下にメニューを固定してゲーム画面の遷移構造もプレイヤーの分かりやすさを重視、決してデザインのエゴを押し付けないスマートな作り。
グラフィック至上主義に相反するかのデザインだが、決して手抜きではないのは地図の判別しやすさでわかるはずだ。
（にほんせいあつに成功するとすげーと言われるが、意外とこういう抜けやすいところ（＝プレイ結果に対するレスポンス）もきちっとしてた・後日談）


ここまではただの質のいいユーザインターフェースでできた無料アプリ。
（ＰＶを増やすルール的な仕掛けについて書くの忘れてたけど、本題じゃないからまあいいか。あと後日にほん全国どれを本拠地にしてもいいアプリが出たが、面白みの点ではぐんまだけでいい）
話の本番はここからだ。


群馬を土台にしたこのゲームだが、徹底的に群馬を土台にしている。
最初のゲーム画面は群馬の地図。
収穫できるものはこんにゃくとネギときゃべつ。群馬の特産物だ。
特産物を収穫してお金を稼ぐと日本の都道府県を群馬県として制圧できるのだが、かかる費用はその都道府県の人口による。

ひまつぶしミニゲームとして、ぐんまはんだん、ぐんまたっち、ぐんましわけがあるが、それぞれ群馬県内の市町村の形を当てたり、人口を比べたり、市町村を分けるゲームになっている。
もちろん群馬県民でもなければそうそうわかる問題ではないが、ゲーム自体はサポートも利いていてミスのデメリットも少なく、クリア自体はそう難しくないのもポイント。

さらに新規アップデートでは合併前の旧町旧村をコンプすることで合併した市町村をゲットできるというもの。

ぐんまのやぼうだけあって、お金の力で制圧すると「東京都は群馬県になりました」というメッセージが表示され笑いを誘うが、このゲームの真意はプレイしたユーザの脳みそに群馬を侵食させる意図があるとすると、まさにぐんまによるせいあつ、まさにぐんまのやぼうだ。
冗談半分の物言いにしかならないが、プレイすると群馬についての知識が身につくのは事実だ。
これを群馬県下における社会科の授業の一環に使うことを考えると、優れたアプリだと考えるのは考え過ぎではないと思う。


かつて桃鉄は日本地図を覚えるのに役だったと言われたりしていたが、作者本人の意向なのか内容的にはエンターテインメント重視でギャンブルの楽しさをゲームで体験させる作りになっている。
面白いものを作ってみたら役立ったという形に思える。

しかし、ぐんまのやぼうは群馬の、知識による人間への侵略…じゃない、啓蒙とかそういうのが目的だと思う。


シリアスゲームの在り方とは何か？
基本的には、ぐんまのやぼうの要素は知識部分がほとんどではあるのだが、こうして「学校で教えるような勉強的な知識」をゲームで得られるならそれに越したことはないのではないか。

シリアスゲーム的な結果を生み出したぐんまのやぼうには、ゲームにおいて新たな一歩を踏み出すための何かがあるのではないか。
それとも、ただ単にゲームでぐんまのうさを晴らすためのものなのか。

それはともかく、ゲームにできることを改めて教えてくれたアプリだと思う。



ぐんまはこれで終わり。

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