北の竜骨

タイトルがどうしてこういう普遍性が強い名前なのか…
という印象だが、このゲームは凄い長所があるので語らずにはいられない。
http://www.kawaz.org/projects/music_fantasy/
これね。

以前、「ファンタステップっぽい」みたいな言い方をしたが、別に悪くいうつもりはない。
そもそも俺はファンタステップ面白いと思ったし（ファンタステップの記事はちゃんと書いてないけど…）。
ただ、このゲームがやらせたことについては、ファンタステップが試みたことに似てて、その点には新規性が感じられなかった。

まあ、ちょっと抽象的な話になるが。

あのゲームは「絵本の世界をゲームのルールで語る」という試みを行っており、音楽を鳴らしてはいるが絵でできるだけ表現している（しゃべるけどね）。
で、音楽ファンタジーの方は音楽を志向していても、ゲームではふんだんに絵を使っているので、結果的には近い印象になる。

また、いずれも「テキスト以外でのゲームでの物語の提示」を志向しているにもかかわらず、「（ボイス含む）テキストで誘導する必要性から逃れられてない」という点においても。
※テキストなしでのゲームはパズルゲームはもちろん、よくある脱出ゲームがあるし、ＲＰＧでもライブアライブの原始編で試みられている


音楽ファンタジーは、一応といったら失礼かもしれんが、音で次へ進める誘導を行ってはいる。
フィールド全体で常に音を鳴らしているのは既存のゲームと同じだが、進めさせたい方向へ進めるよう、再生している。
このへんは最近のゲームだとＭＭＯとかでも行っているので、新規性があるというわけではないが、より作品のイメージに合わせようという意図は感じるが。
何より、進行に大事な部分を音楽に合わせている点は、重要じゃないかな、とは思うし。

ただ、このへんはこのゲームでなくても十分なものなので、そんな重視する部分でもない。


このゲームは、俺から見ると、「新しい音ゲー」だ。

音楽を生み出すゲームとして考えると、少し残念な作りだと思う。
その理由は、ゲームという枠組みでプレイの規制を行っているから。

確かに、
「攻撃時に音を鳴らしても鳴らさなくても問題のない音楽を再生している」
「鳴らして欲しいタイミングを攻撃の効果のあるタイミングとし、特徴的に明示している」
という点を「気にしない」ならば、これはなかなか新しいゲームだと感じられる。

でも裏を返すと、
「結局、ゲーム側が提示した方向性でしかプレイを許容しない（指定した音の出し方をすることでクリアとしているため）」
「ゲームに必要なポイントを除けば、音楽的になにか楽しめるほどの要素もさほどない」
ということになるし、これは音ゲーの論理だろう。

一方で、ビーマニその他で言うなら、何度も同じフレーズにチャレンジできるというゲーム形式だ。
これはこれで、音ゲーで考えれば（現在までのアケ音ゲーの一ユーザーとして）異常なほど新しいと感じる。
例えると、ビーマニのトレーニングモードをゲームのプレイに組み込んで、その機能を自然な形にしているのだが、逆に言えば、そこ止まりになってる。


色々ユーザーにやさしくない点とかはおいておいて、この点だけはきっちり把握しておかないと、次以降の作品にも影響が出るのではなかろうか。
シリーズとして作るならそこを外してはならないし、そこ以外を伸ばすなら別のシリーズにするしかない、という意味で。

（アケ以外だと他にも類似したゲームが有るのかもしれんけど、）音ゲーの次が見えたゲームなので、未来を見る音ゲーマーは是非プレイして欲しい。
未来見てないなら延々と２ＤＸでもやっていれば良いけど。


この記事について主張のスタンスとしては
・アケの音ゲーばっかやってた奴の戯言の一つ
・ファンタステップ好きとしてはなんか嬉しいという感想
・自分で設計してる音関連ゲームの方向性とは違ったのでちょっとがっかり（一方で、それについて何が問題なのかわかってほっこり）
以上。


他にも発見はあるかも知れないが、音楽ファンタジーについてはこれで終わり。

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