『ドン・ボルカン』

keel

2008年07月28日 01:50

ジャンプ打ち切りと言えば、スポ(以下略)

もうそろそろジャンプ打ち切り野球漫画界の活火山野郎『ドン・ボルカン』 の出番。
27球勝利とか、なんかそんな微妙な台詞が一人歩きしてるきらいがあるこの作品だが、内容としてはドミニカ頑張れ的な感じだったような気がしなくもない。

話の流れは主人公の過去話で人が死んでるとかボロボロなのに葬式に登場する主人公とか、次原というよりは今泉節な雰囲気がぷんぷんしたが、それ以外はまあ普通のプロ野球モノ。

元々ジャンプでは野球漫画がかなり多かったので詳しい編集がいたのか、次原自身が野球好きだったからか、実在のチームや選手と球界の実情を絡めたお涙ものとして、わりと面白かったと言えなくもない。
けれども、この作者のトゥモローでもそうだったけど、実在の選手とオリジナル選手の掛け合いや設定に無理ありげなのが、かえって実名選手を出すことに違和感を覚えた。

この作品とは関係ないが、トゥモローがそうだったんで、みんな山田久志好きなんだなあ…

週刊ジャンプのややリアル方面の野球漫画と言えば、岡島投げと山田久志(なぜか下手投げは剛速球投手)がやけに多く登場するのが定石だけど、この主人公は山口高志だった感じがする(山口も多いけど)。

それはどうでもいい(考察含め)。
この作品で最も「いい話やなぁ」と思うのは、やっぱり使い古しの球をドミニカに送るネタではないか。
最近(昔からか?)は強いスポーツ選手になるには金持ちの親が必要になってきてしまうので、悪い境遇のしかも諸外国の子供に野球をプレイしてもらうために、壊れた球を修繕して送るなんてベタだが効果的な話は好きだった。

まあ実際の選手も結構そういう活動をしてる人もいるとか聞くけど。

そんなわけでプロ野球色の強い漫画なので、もうすでに客層の変わったジャンプでは生き残るのは無理だったんだろう。
甲子園ものでさえ、数年後のルーキーズが登場するまでヒット作はなかった。岡島のルーツになったやつくらいか。いや、あれもすぐ終わったような。

中身は案外普通で、そこそこ面白いか。ただし、プロ野球をある程度知っていないと、なにこのオッサンたち? で終わりそうな気がしなくもない。
知名度が高いわりには中身を知らない人が多いので、一度見ておいて周りに差をつけておくのも良い。
もちろん、中身はおろかタイトルも知らない人のほうが多いということには気をつけて。

今日はこれで終わり。

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