ゼルダの伝説ブレスオブザ・ワイルドクリアした

keel

2017年06月08日 01:13

はぁ~…
うーん、なんと言っていいか微妙なゲームだ。
最近やるゲームはそういうの多いんだが、全体的には凡作、光るとこはすごい、駄目なとこは随分しょぼいというのがあって、普通に人に話すときは、光るとこをどう評価するくらいしかできないのでは…という感じ。

というわけで、大絶賛してる人にはイライラしかしないお話が以下。
ちなみに俺はディスク版ゼルダは攻略本使ってクリア、裏ゼルダはちょっとやって終わり、SFC版を少しやって結構楽しいとは思いつつも途中でやめた、というゼルダ履歴の人間であり、シリーズに対しては好印象とはとても言えず、どちらかと言うと高評価に懐疑的である。
最近プレイしたファミコンミニ版も、(実はプレイしたのが裏ゼルダではあったというのもあるが)、とても面白いなどという代物ではなかったという評価をしている(昔のゲームが今やるとつまらないというわけではない。それまで未プレイだったジパングソロモンの鍵は楽しくプレイしてクリアまでしている)。


評価は、減点法でいくと70点。加点法で行くと120点という評価が正直なところ。
自分の持っているスコアリング(現在の最高点97点、少しでも面白ければ50点という基準)でいくと、79と81どちらにするか迷う感じ。
すごい部分はすごい。でもだめな部分は昔のゲームでもちょっとないくらいだめ、という感じで。

すごいのは基本ゲームループ。

移動→アイテム入手→オブジェ発見→武器入手→敵発見→武器壊れる→武器入手→料理で回復→移動(これ以前を何度か繰り返し)→オブジェ到着→パワーアップ要素入手(コログ、証、ユニーク武器、防具、ルピー)→移動(これ以前を何度か繰り返し)→パワーアップ可能→移動→パワーアップ
というのが基本なんだが、この部分の作りがかなり練られている。
壁登りなどに使うスタミナの設定や、体力の設定、武器やその耐久度、パワーアップに必要なものについて、様々な制限が存在するが、それらがいずれもゲームとして必要な要素として活かされている点は実に驚かされた。
だから、このループを行っている間は、それほどプレイが苦になることはない。
パワーアップできるから続けられるんだという人参の効果は実は薄く、このループこそに楽しさが秘められいて、パワーアップは比較的おまけ要素に近い。多分驚いた元はこれだ。

一方で、このループが機能するタイミングが非常に遅い。
パラセールというアイテムがあるのだが、これがないとこのループが基本的に機能しない。
なぜなら、高いところへ登るリスクがあまりにも大きすぎて、移動の部分でループが止まってしまう。
最初のミッションですでにループが始まっているのに、最序盤で入手できないのはかなりまずい作り。
ここだけで大きな減点になるし、テスト不足もしくは判断ミスとしか言いようがない。
タイミングとしてはパラセールの名前が出た時点で渡すべきだったし、早めに名前を出したのはシナリオを書いた側の無言の抵抗だったのかもしれない。
どのくらいのミスかというと、これだけでクソゲー呼ばわりされても文句を言えないレベルの大きさだ。
逆に言えば、ここさえ乗り越えられれば、誰でもといっていいほど、楽しい時間を迎えられるだろう。

ついでにいうと、タイミングが非常に遅いという割には、パラセールを入手してからのほうが十倍は長い。
忘れてたが、動かせるまでの導入が短いのは、良い評価をしたい。

天候については、移動を阻害する以外に効能がない雨状態もよろしくない。
そんなに雨を降らせたいなら、もっと雨の利点を活かすことができることが必要だった(水に濡らす料理が可能とか、落下や敵から受けるダメージが落ちるなど。見つかりにくいという利点はそんな有用でもない、どうせ見つかるし)。
現状、プレイに波をもたせたいからというような曖昧で浅慮な導入をされているような気がしてならない。
雷雨はメリットがないわけでもないが、もうちょっとなんか欲しかった。

移動というと、左スティックのしゃがみと右スティックの望遠鏡はかなり問題があった。押し込みは結構頻発するので、それぞれのスティック操作の延長になるような、さほどの影響を受けないものにすべきだ。
百歩譲ってしゃがみは許すとしても、望遠鏡は絶対に許されない(望遠鏡使用中は時が止まればそうでもないんだが)。
あと移動というと、登坂暴発が結構多いことかな。
個人的には左押し込みが登坂開始、右押し込みがしゃがみなら許容できたかなあ。
望遠鏡はぶっちゃけ使いみち殆ど無いので、オプションで発生不可くらいは必要だった。それか写真に統合するか。ていうか精度もよくないのでマジで存在意義ない。

セーブ機能も難がある。
オートセーブでもガンガン上書きするので、ゲームテンポは損なわないものの、ユーザビリティ的にはかなり問題がある。
手動セーブは5個くらい、せめて3個は確保してほしい。
しかし、この難のあるセーブ機能だが、クリアまでに2回しか問題視しなかったのは、高く評価すべきで、結果ほとんど相殺されてしまう。

料理も厳しいものがある。
明確な答えがあって、そのとおりに選択することで、用意された回答があるので、どんなものになるかな的な料理的な楽しさは基本的にない。
この形式で面白いというには、最低限、微妙な料理などという存在しない料理が排除されていないとならない。
これなら、最初から回答が決まっているFF15の料理のほうが良い。

ほかの問題ある部分は、せいぜい、ボス戦がゲーム的に稚拙な出来であることくらいか。
風のやつはそうでもないのだが、ほかがちょっとひどい。
潜入の仕方や倒し方などが一意になりすぎて、やらされてる感が強いのに、その手法自体は余り説明されてないので詰まりやすい。
あああと、演出がプレイの邪魔をする場合が多く、特に自動カメラの前後の状態の保持状況についてズレが多く、話的にはわかるけどプレイ的には非常に混乱しやすい状況が多々見られた。
特に雷は全般的にひどく、調整されてねーなーという印象しかなかった。
ラスボスも、無敵状態が実に悪質で、これも駄目だな、という感じではあるが、他はそんなでもない。
このあたりは古き悪しき昔のアクションゲーム感があり、懐かしさすら覚えたが、評価としては良くないのは明白になる。

ついでに、ハイラル城はそこまで理不尽さはないが、もう少し面白くはできたかもなあとは思う(そのままでも面白いから大した問題ではないが…)。

敵のダメージがでかすぎなのもきついが、祠の数を考えると、まあそういうことかという諦めもまあまあつく。

あとはルピー入手のタイミングをもう少し早めてほしかったかな? 結果的に大した問題ではなかったが。


特殊アイテムは、武器である爆弾に目が行きがちなのだが、このゲームで重要なのはビタロックになる。
動きを止めることができるものを、全て黄色で表示させることができるので、移動・戦闘中にかなり効果を発揮する。
こういった、直接的ではない干渉をするアイテムが有用なのは、とても良いことだが、これを実行するにはそうとうなレベルデザインの練り込みが必要だろう。
それがかなり実現されているのだから、恐れ入る。


コログや祠の発見、クリアはイラッとくるものも多々あるが、ぶっちゃけ無理に見つけなくていいし、無理にクリアする必要もないので、減点するようなものでもない。ついでに4ボスも別に倒す必要ないので、大きな減点にはならない(コストかけてこんなの作ったの? という感想があるだけで)。
そうしたものを無視できるゲームデザインというのが、非常に功を奏している。
ただ、コログの交換についてはかなり重要な割には3回目から結構きつい場所まで行って交換することになるので、そこは少し問題あるか…とは言え、最強の剣がそこにあるので、早い段階でそこに行くのもありだろう。
そういえば最強の剣入手の演出もちょっと面白い。
まあ、天外魔境2の劣化パクリというかたちにはなるが、陳腐だとしても、こういった演出は手応えを感じる(天外魔境2が良すぎただけだろうし)。
必要体力が13と多すぎな気もするが、ゲームバランスをそれとなく伝える役割もあるので、まあ十分か(あと3つ増やせたけど15でクリアした)。


それと、写真については驚かされた。
「写真にある場所へ行け」というミッションが新鮮に写った。
これがミッションの構造自体は結構面白く感じた。確かに、自分ではなく誰かが撮った写真というものはあるだろう。
昔写真ゲーを企画して、写真が出てくるゲームを2つプランナーやったのに、全然考えたこともなかったのは、自分にはショックだった。俺もまだまだだな。
まあ、内容自体は一部うーん…って感じではあったけど…ユニークなオブジェが写ってるところは楽しいんだが…ハイラル城内とか少し反則だと思うし。



完全にフルプライスで購入したので、最近プレイした他のゲームに比べると得した印象は薄い(損したまである)が、仮に同価格だった場合は(ドラゴンズクラウンと少し迷うとは思うが)これを選ぶくらいは高い評価はできると思う。
致命的と言える問題点もなくはないが、基本ループに関してはゲームを好きならプレイしてほしいところではある。
うん、スイッチが全然手に入らないですよね…うん。ごめん。
二週目及びDLCについては、結構悩む。DLCも即買い、というほどは高い評価してないので、様子見かな…

ああ、バグは結局ココリコ(だっけ?)の村でエラーが出た一度きりだったので、バグ少なくてよかった。

しかしスタッフロール…人多すぎィ!


ブレスオブザ・ワイルドについてはこれで終わり。
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