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2012年06月30日

クリス・クロフォードのゲーム論読んだー(今更)

…おい、これホントに30年前の文章なのか?
http://www.scoopsrpg.com/contents/special/acgd/Coverpagej.html

いや、よく読んだらチェスのコンピューターが素人に毛が生えたようなもんとか言ってたりとか、確かに古いよなあ(なお、現在チェスCPUは最強の人間と互角以上)。

なんと言うか、泣けてくる。
彼がこの文章を書きながら、現在の状態をかなり近い形でイメージしていたりもしていたのだ。
(ネットワークを用いることで、世界中に散らばった何千人ものプレイヤーが互いに相互作用しあうようなゲームをデザインすることも可能だ。プレイヤーはやりたいときに自由にゲームに参加し、抜け出すことができる。全参加者の数が十分大きければ、特定の個人の出入りはゲームの大勢に影響を与えないのである。)
(本当にプレイヤーを驚かそうと思ったら、プレイヤーの行動を分析し、そこから彼がいま何を思っているのかを読み取り、彼に不満を与えないような方法で、物語的に無理のないどんでん返しを提示する必要がある。いまだ、こんなことのできる人工知能は存在しないが……。)
(「コンピュータゲームはまだ生まれたばかりだ。コンピュータゲームをデザインするためのガイドラインが存在しない以上、既存のゲームのガイドラインをあてにするしかないだろう」と。いつの日か、ゲームデザイナーたちは、そんな安易な移植ゲームの山を見て笑う日が来ることだろう。大昔の羽ばたき飛行機の設計図をあざ笑うように。)
読みながら、対話をしているように思えまでする。
預言書にも近い。
まあ、彼の憂いまでもイメージに近い形で発生してるのも、まあ人間の世界なんだと思ってしまうけども。
※()内は引用
重点においてるのはインタラクティブ性、プレイヤー同士の相互関係性だ。
他者(この場合CPUでもいいっぽい)の意思決定や能力が相互作用しないなら、ただの競争でおもんねーわ、ということだ。


ていうか、俺がゲーム漬けに漬けられて得てきたもんの一部がもう書いてあるじゃねーか。なんだよこれ。
(別のゲーム環境で作られたゲームは、そのゲーム環境の中で最適化されてきたからだ。)
(いくら人を集めても、官僚的になり、意思決定が遅れて対応を悪くするだけで、創造的な作業には全く役に立たないのである。)
(ただ見せびらかすためだけに格好良いグラフィックを作ろうとするのは、ありがちな間違いである。グラフィックは、プレイヤーに情報を伝えるという目的のために存在するのだ。)
(ゲームが単調で退屈であるなら、どんなに素晴らしいグラフィックも、それを包み隠すことはできない。)
とんだ無駄足じゃねーか。はよ読んどけば良かった。


とは言え、さすがに30年前のテキストなので微妙な部分もある。

テストに関して。
テストは重層によって完成させられるべきで、プログラマ層、ゲームデザイナ層、ヘビーテスター層、ライトテスター層、一般層である。
前者2つのみで行うというのは、中身に関してのみの言及になり、彼の提唱するインターフェースに関してのテスト結果は得られない。
前者2つというのは、常にそれがどういうものかを知っているからである。
その視点は、知識と経験による鋭く尖った視点、広く伸びた視点、言い訳でできている。

インターフェースのテストは常に「何も知らない層」からのフィードバックが必要になる。
「何も知らない」彼らの言葉にはあまり価値はないが、彼らの反応には大きな価値があるのだ。
ハドソンでの子どもテスターにほんのちょっと関わったことがあるが、あれは結構大事だ。
書いていいのかわからんが、重層のテストが「釣りマスター」のスマッシュヒットを生んだのは事実だ。

つーかそもそも、テスト意見は基本的に情報材料であるので、発言者の背景を考慮すれば全て有用であるのだ。
それが取るに足らない意見だとしても、意見の出てきた条件自体は懸念材料だ(この辺はどうせ任天堂あたりの人はもっと高いレベルで分析してんだろうけども)。
もっとも、そういう意見が決定権に関わるところから出てくると困るが。


ユーザ観点でのシナリオ分岐についても…と思ったが、ユーザ視点での話は今も誰もほとんどしてないので当たり前か。
この辺の詳細はマルチシナリオとゲームのシナリオの話で。

他もわりとそうなのだが、基本的にはプログラマの意見寄りなので、そこは割り引いて読むべきだろう。
とは言え、30年も前のテキストなのに、大部分が有用というのはかなりのもんだ。


難点は…まあ、他人の感想とか見てると、論を読んだ人が趣旨をあまり理解してないパターンがままあるというのが…コスティキャンのゲーム論もそうだったが、その論を使って逆の主張してた人もいたからなあ。

俺が理解してるかどうかは、ゲーム見てくれればわかるはずさ!(宣伝)
いや、あれじゃわかんねーか。

なお、あれとはこちら!(宣伝)
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.mykanojo.nagaikurokami
ちょうど新シチュ追加の季節である。(宣伝)


ちなみに、意見は大歓迎だけど対応されるかどうかと言えば、上記の通り、そのままはされないと思う。

クロフォードのゲーム論についてはこれで終わり。



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