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2012年05月06日

マルチシナリオの作成について

という資料を作成した。
とりあえず基本編みたいな感じで、飽くまで普通のシナリオは(質はともかく)書ける人にしか向いてないが。

http://shimanishi.net/game_multi_sc.pdf
ここにはテキストオンリーを載っけて、PDFで図解入りを別口で載せる。
後編は更に別口にて予定。
マルチシナリオの作り方と注意点

マルチシナリオと言っても、どのようなシナリオを想定するのかで結構違う。
元はおそらく、テーブルトークロールプレイングゲーム、日本でいわゆるTRPGと呼ばれている遊びから来ている。
TRPGは、ゲームマスターという役割のものがシナリオ進行を務め、そこに参加するプレイヤーのやり取りを元に話を展開する遊びだ。
その大元は対戦型ボードゲームなので、数字と乱数の要素も絡んでおりそこにルールも存在するが、ストーリー展開はゲームマスターが管理する。
ゲームマスターという人間が管理するため、プレイヤーの行動に応じてある程度の展開の遊びが必要になる。
要は、プレイヤーの選択次第で、シナリオが変化せざるを得ない可能性がある。はたまた、乱数のいたずらでも変化せざるを得ない可能性もある。
その遊びの幅が、マルチシナリオのゲームの源泉であるといえる。
故に、マルチシナリオを作るためには、できる限りTRPGでゲームマスターを経験したほうが良い(プレイヤーのみではあまり意味が無い)。

しかし、ゲームマスターをやるにしても、シナリオが不可欠になるし、そのシナリオもマルチシナリオである必然性がある。
そこで、ここにマルチシナリオを作成する方法を記載していく。


まず必要なのは、一本道のシナリオだ。
最初に必要になると思う。
もちろん、絶対とは言わない。ただし、一本道シナリオを書いたこともなく最初からマルチシナリオを書けるとしたら、まごう事なき天才だ。国をあげて保護すべき存在だろう。
だからまず、一本道のシナリオを書き上げて欲しい。ファンタジーRPGで悪い敵を倒す話でいい。ていうか練習なのでどこかからパクっていい。
オリジナルを書くなら一回パクった後、シド・フィールドのなんとかを買って読んで一つシナリオを書き上げるのがいい。読んでおかないと遠回りな上に、売れないシナリオを書いてしまうからだ。

次に簡単なマルチシナリオの作り方だ。
TRPGをベースにした単純なマルチシナリオは、シナリオ中に数カ所戦闘を配置して、戦闘に勝った場合と負けた場合(か負けそうな場合)にどういう展開にするかを決めておくものだ。
勝った場合はそのまま予定通り進行し、負けた場合は何らかの助けを入れ、シナリオ上のフォローを入れて次の展開へ進行させる。
つまり、戦闘シーンが2回あるとして、2回とも勝つ展開であれば、1回目に負けた場合と2回目に負けた場合の展開を追加するだけでいい。
そして、2回目の戦闘がクライマックス直前であれば、2回目に負けた時にそのまま敗北エンドへ進んで合流させない流れを作ってもいい。
これで簡単なマルチエンドが完成だ。
パクリでいいので一回作って、どういう性質のものなのかを理解してみて欲しい。

作ってみたらわかると思うが、この途中分岐には結構な問題点がある。
例えば、戦闘に勝つためのフラグ…じゃない伏線を、シナリオの前半に仕込んであったとしよう。
しかし、最終戦闘で負けてしまった。この場合は、仕込んだ伏線を消化できない。
伏線ならまだいい。ドラマチック性が薄れるだけだ。
困るのは事実関係だ。
例えば、1回目の戦闘に勝ったことを前提にして、2回目の戦闘前に1回目の戦闘で勝ったことについて言及するシナリオがあったとしよう。
しかし、1回目の戦闘で負けてしまった。この場合は、2回目の戦闘前に言及される話の意味がわからなくなる。
つまり、前提条件を覆された場合、その事象やその事象を元とする話を使いづらくなってしまう。
逆に言えば、変化する可能性のある伏線、フラグ、説明を前提にして、シナリオを書くわけにはいかないのだ。
もっとも、そこら辺をあまり気にしなくて良いシナリオなら、気にしなくてもいいのだが。


分岐ありきでのマルチシナリオ執筆手法
シナリオを書ける人は、ここまでは別に問題なく書けると思う。面白いかどうかは知らないけど。
やはり問題は先述したように、分岐することで発生する問題点をどうクリアしていくか、になる。
いくつか手法はあるのだが、やりやすい方法を提示してみる。

一本道のシナリオを先に書いてしまう、と同じように先に書いてしまう。
シナリオは、区切り区切りされたシーンをつなぎあわせて作られてることは、先述したシド・フィールドの(以下略)を読んでいれば(もしくは自力で書ききれていれば)わかると思う。
そして、大まかにはシーンごとで分岐が区切られる。分岐のある部分を1シーンとして、単位でとらえるのだ。
ノベルゲーム製作には必要な要素で、シーン7でAをしたらシーン8、Bをしたらシーン9、みたいな分け方をして、シーンを細かく区切っている。
例えば、街から目的地にたどり着くのを第一幕とし、第一幕の終盤で分岐の発生する戦闘シーンに入るとする。
その場合、スタート(街を出る)から戦闘に入るまでをシーン1、戦闘シーンをシーン2、戦闘に勝ってから第一幕終幕までをシーン3、戦闘に負けてから第一幕終幕までをシーン4とする。
シーン1で描かれた事象について、シーン4に絡むこと(戦士のキャラクターが攻撃を命中させることが得意、魔法使いに負けられない事情がある、のような描写など、戦闘の過程や結果に影響がある描写)があるかどうかを確認。
ない場合はそのままスルーし、ある場合はシーン4内でフォローする必要がある。
簡潔に言えば、まずそれぞれのシーンを描いてしまい、そのあとで前後のシーンに絡む要素要素を確認し、矛盾が出る部分をそれぞれフォローするだけ。
地道で面倒だが、確実な方法だ。

先にシーンを大まかに描写して、合う合わないを計算して分岐させる。
プロットを作成し、シーンを区切った後、まず前後などを考えずにシーンを描写していく。
書ききったら内容に合わせてシーンの順序を組み替え、問題ないように配置する。その上で、矛盾が出ないように分岐をさせる。
やり方としては、シーンを1パーツと割りきって先に入り口から出口まである程度固めてしまう。分岐はそのシーンの数だけでできる分を作る。
シーンを並べることでシナリオ立てるように演出するやり方だ。
このやり方はノベルゲームにはあまり適さないが、アクションゲームやMMO的なRPGには効果的だ。シーンを1ステージ、1フリーシナリオと考えると理解しやすいかと思う。


マルチシナリオの意義
基本的には「こういうストーリーにしたいけど、分岐パターンも用意しよう」と、「分岐するのでそれに見合ったストーリー展開がほしい」の二種類がある。
それぞれに理由が存在するが、それは提供するゲームのジャンルみたいなもので違う。
前者はメインストーリーを用意したものの納得してくれないユーザもいるかもしれない、ということへの配慮。
後者は分岐させることで価値を高めたいので、分岐に沿ったストーリーをそれぞれ必要とするという対処。
ユーザ意識とコンテンツ製作意図の生成順序によって違い、大方はジャンルによって違いが出ている。
前者の多くはワンプレイを考慮し、後者の多くは繰り返しプレイを考慮するので、前者はJCRPGやアドベンチャー、ノベル、後者はアクションや箱庭RPG、FPSなどが該当する。
どのジャンルにも言えることは、マルチシナリオを採用することでその制作物の価値を高める目的があるのはほぼ間違いない。


マルチシナリオの効果
展開が変わるという点で、何回かプレイしてもらうためのマルチシナリオというのが多くの認識だと思う。
しかし、選びたくない方向を排除し、選びたい方向のみ得ていくためのマルチシナリオというものも存在し、その場合は作り方も作る認識も変える必要がある。
基本的に一度しかプレイしないことを想定したマルチシナリオは、選ばれなかった展開は捨てリソース・死にリソースとなりユーザが認識しない。
そのため、選択肢ごとの通らない可能性のあるリソースを他のリソースと等価値にしづらいなどの問題がある。
単にユーザの利益不利益の問題であれば販売とコストの話の範疇だが、通らない可能性のあるシーン・シナリオに重大な伏線、情報を設置することも難しくなる。
目的によって意義は様々ではあるが、マルチシナリオにかかる功罪自体は変わらない。
ここを踏まえないと、何のためにマルチシナリオを用意するのかがわからなくなる。


マルチシナリオ対策
ここまで見てもらって分かる通り、大きな問題点は2つ。作るだけ無価値になる可能性のあるシナリオと、シナリオ進行上に不具合が出る可能性。
無価値を生み出さないようにする対策としては、分岐して通る側と通らない側で、必要とするリソースをできるだけ最小限にするというものがある。
特に、並列や事前に作成せざるを得ないリソースを変化させず、後付で編集・追加できるリソースを変化させるという形だ。
ノベルゲームの分岐で言うと、使い回しのあるBGMでそれぞれ別のものを使いながらテキスト部分のみ変化し、ボイス部分と背景画像、立ち絵を変えない、などだ。
確かに変化部分としては少なくて価値的に薄いように思えるが、ユーザがどちらか片方しか選ばずにもう片方を選ぶ可能性が少ない、という場合には極めて有効な手段になる。
シナリオの前提を認知してもらえない可能性の対策については、必要性の高いシナリオは確実に通過するようにして、ストーリーへの影響が低いシナリオを分岐させる形がある。
何度もプレイしてもらえるタイトルであれば、システムを念頭にしたストーリー展開やシナリオ順設定も比較的行い易い、という点からも、この方法が有効だ。
どちらを使う、併用するにしても、何を楽しんでもらうかという目的を念頭にして対策を取る必要がある。

ひとまずこれで終わり。

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